エビスさまと金鋼石
屋久島の民話に、「エビスさまと金鋼石」という面白い物語がありますので紹介します。
むかしむかし、原部落に、じいさんとばあさんが貧しい暮らしをしていました。
しかし、二人は正直で人のよい老夫婦でした。
ある日、見知らぬ人がやってきて、
「じいさん、ばあさん、お前たちはその年になってたいへん貧しい暮らしをしているが、かわいそうなことじゃ。
ここに百文あるから何でも買って食いなさい。」
といって、銭をくれました。
七日したらその人がまたやってきて、今度は二百文くれました。
それから七日してまた来ました。
「私が持っていた銭は全部あげた。私がよかことをおしえよう。
浜にエビスさまをまつって潮でもあげてみなさい。きっとよかことがあるから。」
正直なじいさんばあさんは、いわれた通り、浜にエビスさまをまつって潮も汲んであげました。
八十八夜も過ぎるころ、屋久島沿岸は飛魚漁でわきたちます。
原の近くの鯛の川付近はもっともにぎやかです。
原部落では十そうの飛魚船を出しました。
部落の人はみんなどれかの船中(組)に属しています。
じいさんも船には乗らないけれども、ある船中に属していました。